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研究 1 (Research 1)  

人間が病気に罹るのと同じように,植物も病気に罹ります.人にインフルエンザウイルスやエイズウイルスが感染するように,植物にも様々なウイルスが感染します.病気としてよく目にするのは,チューリップやスウィートピーに発生する「斑入り症状」(左下写真)や「葉の緑色のところどころが黄化する「モザイク症状」(中央下写真)が知られています.またジャガイモの塊茎などにもえそ症状を引き起こします(右下写真).実はウイルスは農作物(穀物,野菜,花卉など)の栽培に大きな被害を与えています.

現在では,植物病のかなりの部分は抵抗性品種や殺虫剤散布による媒介虫の駆除などで防げるようになってきていますが,菌類,細菌,ウイルスに対する防除対策をとらなかったら,20%以上も収穫量が減収すると言われています.

植物の病気は,植物と病原体の相互関係で起こります.病原体になるものには,菌類・細菌・ウイルスなどがありますが,私の研究室ではウイルスを対象にして研究しています.ウイルスはとても不思議で,とても面白いです.「安心・安全な食料生産」,「ウイルス病の防除技術の確立」を目標に,その基礎と応用の研究を行っています.なお,植物ウイルスは人には感染しないと言われています.

ポティウイルス属(Potyvirus)に含まれるウイルスは,農作物に被害を与えるウイルス病の20%を占め,世界中で常に大発生しています.Potyvirusは700-750nmの紐状ウイルスで,一本鎖RNAをゲノムに持っています.本属に含まれるカブモザイクウイルス(TuMV)は世界中の亜熱帯,温帯などのアブラナ科植物に発生しており,最近ではアラスカでも見つかりましたが,このウイルスを対象に研究しています.また世界のジャガイモ栽培地で発生している同属のジャガイモYウイルス(PVY),スイセンなどのヒガンバナ科のウイルス,ネギ科に感染するウイルスについても様々な角度から研究をしています.「病気がなぜ起こるのか」という基本的な疑問について,病原体と植物の両側面から,またウイルスゲノムを網羅的に解析後,バイオインファマティクスを利用して分子進化的側面から解析を進めています.病原が植物に病気を起こすための戦略や,ウイルスが起源地から世界中へどうやって病原性を獲得して広がったのか,そして日本に入ってきたのか,診断後術も含め将来上手にウイルスをコントロールして付き合っていく方法を模索しています.なかなか難しい問題なのですが・・・・・.

スウィートピーの斑入り症状

モザイク症状

ジャガイモの塊茎えそ症状
          
チューリップの斑入り症状        ムラサキツメクサのモザイク症状   ハイビスカス

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